「がいこつさん」作:五味太郎
この記事では、絵本「がいこつさん」について紹介します。
がいこつさんが ねています。目をあけたまま
ねているのかというと それはちがいます。
あれは穴です。目ではありません。
いずれにせよ がいこつさんは ねています。
ただ ぐっすり ねているかというと
そうでもありません。
ときどき ねがえりをうつことろをみると
どうも よくねてはいないようです。」
五味太郎さん、さすがです。これはとっても面白い。全作面白いけど、これが一番のお気に入りかもしれません。
今回の絵本の主人公は言うまでもない、がいこつさんです。そうです、あの骨の。寝ていたがいこつさんは、「なにか忘れている気がする…」と、寝付けなくなり、何を忘れているのかを思い出すためにお外へ歩きに出かけます。何か思い出すヒントを探しに。
ところが全然思い出せないがいこつさん。「なんだったっけなあ。これかなあ?」と心の中で思うたびに、その心の声に対する返事が面白い。その返答をしているのが、作者の五味太郎さんなのか、はたまた読んでいる我々という設定なのか、第三者によるナレーションの様なものなのか…非常に五味太郎さんらしいユーモアあふれる文章に惹きつけられます。
言い回しも、素敵です。例えば「外は さっぱりと いい天気です。でも、がいこつさんは さっぱりとはいきません。」など。がいこつさんの”忘れたことを思い出せないもやもやした気持ち”とからっと晴れた天気の様子を比較して表現をしている点などは、子供にとってもわかりやすい言葉遊び・言い回し遊びのようで楽しく感じました。
がいこつ、という設定をきちんと活かした描写も多く、それがブラックユーモア気味に表現されているのも、厳しすぎない絶妙な笑えるラインで攻めている文章も、五味太郎さんらしくて素晴らしいと思いました。例「ー 手紙を 出すのを わすれていたかな。」「まさか。最後の手紙 もうとっくに 出しちゃったじゃない。」「ーそれも そうだな。」などですね。
がいこつさんの、おっとり、のんびりとした口調。がいこつだからこそ、変わらない表情。常に一定の感情。これが、鋭いナレーションと対峙したときに余白が生まれる。だからこそ、多少のブラックユーモアを含んでいたとしてもハラハラせず読者も安心して読める内容となったのでしょう。
しかしまあ、がいこつさんの”わすれていたもの”は、なんてことない”アレ”でした。のんびり屋のがいこつさんらしいっちゃ、らしいな。と、ほっこりして終了です。
面白いです。大人も楽しいのでぜひ読んでみてください♩
| 読みやすさ | 五味太郎作品の中でもやや文章長め |
| 対象年齢 | 年長~低学年 |
| 読了時間 | 約3~4分 |
以上、絵本「がいこつさん」の紹介でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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